不法占拠を続ける債務者や第三者がいたら、もう何も手出しができないというわけではありません。落札した人が競売不動産をちゃんと自分のものにするための手段があります。裁判所に申し立てをすることによって、競売不動産を落札した人に対抗できないと認められる占有者に対して「引渡命令」を求めることができるのです。落札した人は、占有者がいた場合には、訴訟を提起して明け渡しを請求することも、もちろん可能です。ただ、訴訟を起こすとなると手続きをするのに時間と労力がかかります。
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その点を考慮してあるのが引渡命令です。裁判所に引渡命令の申し立てができるのは代金を納付してから六ヵ月以内。裁判所より引渡命令が発せられ、それが確定すれば、明け渡しの強制執行をすることができます。この引渡命令は、落札後も占有する債務者や不法占拠している人以外でも求めることができます。たとえば、ちゃんと家賃を払ってその物件を借りている人が占有者であるケースがあります。この場合、その物件を借りる権利が三年以内である「短期賃借権」であり、その有効期間が切れているときには、やはり引渡命令を出してもらえます。その物件に債務者が居住しているとか、所有者ではない人が賃借人と称して居住権を主張しているといったことは、多くの場合は三点セットを見れば分かります。その時、占有者がいたり居住権を主張している人がいることが分かった場合には、まず引渡命令を出してもらえる相手かどうかを、弁護士など専門家に相談してみましょう。ただし、引渡命令を出してもらえる相手であっても、実際に命令が確定し強制明け渡しができるようになるまでにはある程度時間がかかることもあります。また引渡命令の対象である占有者以外には、同じ引渡命令は効力をもたないので、占有者が新たに変わってしまうような場合にそなえ「占有移転禁止の手続き」をとるといったことができます。引渡命令は申し立てをすると一週間程度で出るのがふつうです。