設計料の算定は「設計者の能力」と「設計図書の量」を掛け算して表される。設計者の能力については、すでに建築士の過剰や無資格設計で、非常に幅がある。そこでここでは、後者の設計図書について、まず簡単に述べる。設計図書の作成は、大きく分けて二つの段階がある。第一段階は基本設計といわれるもので、主に確認申請に提出される程度の「簡易な設計図書」が書かれる。これは役所が法的なチェックを行うのに必要最低限の案内図、配置図、平面図、立面図など、簡単なものである。
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第二段階は実施設計といわれるもので、工事の実施に必要な「詳細な設計図書」が書かれる。ごく一般の木造住宅で作成される設計図書は、案内図、地積図、面積表、配置図、平面図、立面図、断面図、短計図、基礎伏図、床伏図、天井伏図、梁伏図、小屋伏図、屋根伏図、軸組図、建具表、建具配置図、展開図、電気配線図、照明器具姿図、給水排水給湯ガス配管図、設備位置図、外構図、仕様書、仕様概要書、工事費概算表である。これに多くの詳細図、部分詳細図が加わる。この実施設計の「詳細な設計図書」により、住宅に使われる個々の建材が確定する。「簡易な設計図書」と「詳細な設計図書」は、分量にすると五倍から10倍程度の差がある。また、詳細な設計図書の目的の一つに情報開示がある。建築主は自分の家がどのような材料でどのように造られるかを知る権利がある。「どうせ建築主は素人だから、設計図書など渡す必要はない。だから、詳細な設計図書を作成する必要はない」という考えは建築主の知る権利を侵害する。