ワキガの手術方法は、臍下の皮膚を切開してカニューレ(管)で削りとる「吸引法」、カニューレに回転する歯がついた「アクティブシェービング法」、レーザーを使った「PTD法」などあるが、スタンダードなのは、「反転剪除法」だ。これは、局所麻酔後、皮膚を四〜五センチほどアポクリン腺の真下まで切開し、ポケットを裏返すように皮膚をひっくり返し、アポクリン腺と毛根の両方を切り除く。そしてまた元に戻す。手術時間は約一時間半。血腫を防ぐために術後一週間は、膿の下を濡らさないように入浴しなくちゃいけない。それから術後一週間は、腕を六○度以上上げてはいけない。じつは、ボクが手術した患者さんで、長距離トラックの運転手さんがいた。彼には腕を上げないようにしっかり説明したのだが、盲点があった。トラックだからハンドルが上向きに付き、しかも径が大きい。パワーステアリングの乗用車なら、指先でも運転できるくらいハンドルは軽いが、トラックだから交差点で曲がるときなどは両腕を大きく動かしてハンドルを回さなければならない。その動作で脇の下が擦れ、内出血を起こしてパンパンに膨れ上がってしまったのだ。
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